花菖蒲の咲き乱れる初夏。早朝の神秘的なたたずまい。 撮影/1997・6・24

 別府市南部にある神楽女湖(面積五万八○○○平方メートル、標高五四○メートル)は、ヨシ、マコモなどの生育する三つの池をつないだ人工湖。北西約一キロのところに志高湖がある。カイツブリ、カワセミ、キセキレイ、コガモなどの野鳥も多く、バードウォッチャーで賑わう。湖畔には、しめいの秋・泰山白・夏姿など約七十品種、三十万本の花菖蒲が植えられ、初夏には多くの人が訪れる。
 平安時代、湖のほとりに鶴見岳神社の歌舞女が住んでいた。その歌舞女は、とりわけ歌と舞が上手で、近くに住む村人たちに請われ、夜毎、歌と舞を教えていた。熱心な指導のおかげで、村人はみな、歌舞の名手となった。そして、まわりの村々にまで歌舞をひろめたという。
 周囲の人々は、この歌舞女を敬って、いつしか湖を神楽女湖と呼ぶようになった。


◇神楽女湖へは、JR別府駅からバスで四○分。車なら、近くにある志高湖を目指すと分かりやすい。